2012年9月28日金曜日

顎関節症の症状

近くの空き地に生い茂るススキです。
前回は秋の七草を紹介しました。尾花(スズキ)もその一つです。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という句は有名ですが、
芭蕉作と言われる説もありますが、本当は違うようです。


先日、8月のセミナーの参加者に、約束どうり評論家・田原総一朗さんの書かれた顎関節症の体験記・『「飛び降りられる場所」を探した日々』を送りました。大きな反響をいただきました。
『「飛び降りられる場所」を探した日々』とは、ショッキングなタイトルですね。
内容は、次回に紹介します。








2012年9月27日木曜日

顎関節症の定義2

庭に咲いている桔梗です。
桔梗は、ご存じのように秋の七草です。
女郎花(おみなえし)、尾花(おばな ススキのこと)、桔梗(ききょう)、撫子(なでしこ)、
藤袴(ふじばかま)、葛(くず)、萩(はぎ)を秋の七草というそうです。
 
 
顎関節症に一致する英語はありません。
しかし我々が議論する範囲では、TMD(temporomandibular disorders)が顎関節症に相当する言葉と考えてよさそうです。
disordersと複数になっていることからTMDsと表記する人もいます。
回を改めて、TMD(temporomandibular disorders)の定義について触れていきます。
 
 
 

2012年9月26日水曜日

顎関節症の定義

新潟の百合を生産している方から届いたものです。見事な花ですね!
 
 
一概に顎関節症といっても、様々な病態があります。これを定義するというのは至難の業です。
 
1996年の顎関節学会の定義は
「顎関節症とは、顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節(雑)音、開口障害、ないし顎運動異常を主要症状とうする慢性疾患群の総括診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、関節包・靭帯障害、関節円板障害、変形性関節症などが含まれる」
というものです。
もっと、ずばりというのは難しいのでしょうね。次回は欧米の情報を・・・・・・
 
 
 
 
 

インプラントの咬合

 
庭に咲いているトレニアです。こぼれ種から毎年花を咲かせてくれます。
花言葉は可憐、温和。
 
 
 
 
今日は一日インプラントのオペでした。この患者さんは上顎6本、下顎4本の埋入でした。
静脈鎮静法のもとでのオペでした。全身管理をしながらの手術は大変ですね。
 
インプラントも目的は「噛むこと」です。インプラントの咬合についての私の考え方は、いずれ回を改めて・・・・・・
 
 
 

2012年9月24日月曜日

顎関節症の原因


「虎の尾」です。実は「虎の尾」という植物には2種類あります。
上の写真にある花を咲かせるものと、長くて硬い葉っぱが虎模様の園芸植物があります。
園芸植物の方はマイナスイオンを出すというので室内用に人気があるようです。
「虎の尾」の花とも9月一杯ぐらいでお別れです。もう来週は10月ですよ。
 
最近、顎関節症の原因について考えています。
巷では、「咬合は顎関節症の誘因であって主因ではない」、「咬合はあまり関与しないようだ」などなど諸説紛々。
こんな議論はナンセンス!
咬合によって起こる顎関節症もあれば、咬合が関与しない顎関節症もあります。
いっそうのこと、咬合性顎関節症非咬合性顎関節症の2つに分類して考えてみるとスッキリするのではないでしょうか・・・・・

2012年9月21日金曜日

顎関節症の診断2

先日、紹介した開口障害のある患者さんです

この患者さんは、無理なく開口できる距離は22ミリ、最大開口量が35ミリです。左関節部に痛みがあります。

例により、CTとMRIを撮影しました。
MRIでは、円板の位置などの異常は見つかりませんでした。

CT像では、「左下顎頭内に骨吸収を伴う小嚢胞」(金田先生コメント)が見られます。
これが、開口制限と痛みの原因になっているのでしょうか?
金田先生のお薦めは、消炎処置です。薬の選択に迷いますね。

2012年9月19日水曜日

GC GNATHO HEXAGRAPH Ⅲ1

昨日のブログについて、さいたま市の技工所サヤカ・小林さんから情報が寄せられました。
機器の名前はGC GNATHO HEXAGRAPH Ⅲです。

GC社HomePageよりコピー
動画は、こちらからご覧下さい。この動画はサヤカさんでのデモのビデオです。
 
実は、技工士さんで噛み合せの調子が悪く3Dスプリントを入れたら全身状態が良くなったという方がいらっしゃいます。
いま、この方に被験者になってもらい
1.何も装着しない状態
2.3Dスプリント装着時
3.咬合調整後
の3つの状態をGC GNATHO HEXAGRAPH Ⅲで計測してもらおうかと考えています。もし実現できれば結果が楽しみです。



東京デンタルショー2012

日曜日には、東京デンタルショー2012を見に行きました。


やはり、私の眼につくのはCTでした。

しかし、CTは既成の事実で、次の新しい機器の出現待ちという感じでした。
その中で、私の興味を引いたのはG社の展示でした。

顎運動を記録したデータをもとに、CT画像で下顎運動を再現したものでした(名前は忘れました)。
このような機器とソフトがあるということは、聞いていましたが見るのは初めてでした。
開発された方と話が弾み、近々に器械を持ってきていただきデモを見せていただけるそうです。
何か大きな発見ができる可能性がありそうです。
デモの結果は、あらためて報告させていただきます。

2012年9月15日土曜日

咬合の違和感5

前回(咬合の違和感4)では、「咬合のゴール」について記しました。

「咬合のゴール」に辿り着くには、まずその咬合が正常か?否か?を診断しなければなりません。
下の表にまとめてみました。

参考になれば、幸いです。

画像をクリックすると、拡大されます。

2012年9月13日木曜日

咬合の違和感4



上の表は、 1歯の咬合面の充填や修復治療においても達成すべき咬合のゴールを
掲げたものです。
前回に記したフルマウスの修復では必ず守らなければならない原則です。
咬合の違和感のない修復物を作り上げなければならないのは当然のことですが、
修復物を患者さんの生涯にわたって永続性のあるものにするには、
この原則を守る必要があります。
解説が必要な部分もありますので、数回にわたって記述していきます。



 
 

2012年9月12日水曜日

咬合の違和感3

咬合の違和感1、咬合の違和感2で紹介したケースのその後の治療結果です。

患者さんの主訴は、左上2,3の部分で「歯ぎしり」をするので解決したいということでした。
 
治療方針としては、
1.左上1、6は歯周病が進行しているために抜歯
2.左上6から右上6までの連結したブリッジを装着する。6,6は延長架橋歯。
3.ブリッジの咬合は両側犬歯誘導を与える
4.咬合高径を拳上する
 
現在、上顎5から5のプロビを装着していますが、幸い「歯ぎしり」はなくなりました。
 

移転開業2

以前、移転開業することをお伝えしました。
何か目玉になる新機軸が欲しいと思っています。第一の狙い目がCTです。
これからの診断に必須になる器械だと思います。


何と言っても、KaVo の3D eXam です。一回のCT撮影で、両側の顎関節が撮影できますし、パントモ、疑似セファロ画像も得ることができます。

私の最大の目的は、顎関節症の診断に役立てることです。
しかし、最大の障害は価格です。

2012年9月10日月曜日

顎関節症の診断


昨日の日曜日は、近くの大原稲荷のお祭りでした。山車もかなり小ぶりですね。
江戸の3大祭りは、「神輿深川、山車神田、だだっ広いが山王様」と謳われたように
山車と言えば、神田明神の山車が有名だったようです。
しかし、当時の都電の線路や多くの電柱に阻まれ、今は神輿に様変わりしています。

今回は、顎関節症の診断の話題をお届けします。


この患者さんは、36歳の男性Kさんです。
無理なく開口できる距離は22ミリ、無理して痛みを我慢しながらの開口量は35ミリです。

開口量だけで、顎関節症の診断はできませんが開口量は診断の大きなウェイトを占めます。
回を改めて、開口量の評価について考えていきましょう。


2012年9月7日金曜日

咬合の違和感2

7月2日に紹介したケースです。http://6480tanaka.blogspot.jp/2012/07/2_18.html

 
左の2,3あたりでギリギリなるのが気になるということです。奥様にも「食事中にギリギリやっている音がする」と指摘されるということです。
 
Bite Strip で、夜間の歯ぎしりを調べました。結果は30回未満という数値で夜間の歯ぎしりは、しないと判定しました。
起床時だから、「歯ぎしりしないよう」にといっても、そう簡単に治るものではありません。
 
左上7と左上1は動揺が激しくて抜歯が必要です。犬歯誘導がないので上の犬歯の修復も必要です。
 
果たして、犬歯誘導を与えることで起床時の歯ぎしりが治るでしょうか?
 
結果は、後の会で・・・・・
 
 
 
 

2012年9月6日木曜日

総義歯の安定

今日も木曜恒例のゴルフでした。暑かったですが、比較的過ごしやすい日でした。

89歳の現役歯科医と一緒でした。高齢にかかわらず、よく飛びます。この齢までゴルフができれば・・・・

ときどき見学に来る衛生士さんが「先生のところの下顎総義歯は口を開いても浮き上がらないですね!私は浮き上がる下顎総義歯しか見たことがないので、必ず浮き上がるものだと思っていました」と話していました。

吸着まではいかなくても、浮き上がらない総義歯を作りたいものですね。吸着すると、なお嬉しくなります。

下顎総義歯を吸着させる要素はいくつかあります。

ちょっと綺麗すぎますかね?
 
 
 
幸い、この義歯は吸着しました。
技工はサヤカ・佐野さんにお願いしました。
 
吸着に必要な大きな要素の1つは、咬合です。総義歯の咬合も有歯顎の咬合と同じ考えで作ります。総義歯については、回を改めて書きます。
 
 
 

2012年9月5日水曜日

GrindCare

今年の2月22日のブログhttp://6480tanaka.blogspot.jp/2012_02_01_archive.htmlで紹介しました夜間の筋活動(側頭筋)の回数と強さを測れ、一定の強さに達したときに警告刺激を発してくれるGrindCareというデンマークで開発された器械を紹介しました。

 
薬事の関係で入手が難しいと書きましたが、8月のセミナー「新しい顎関節症の考え方と治療法」を受講された広島の亀田先生から耳寄りな情報をいただきました。
 
この器械を並行輸入している会社があります。
購入ご希望の先生は、次のURLにアプローチして下さい。
 
当院でも皮膚面につけるパッド(消耗品)を発注しました。
 
本体はマレーシアのアジアをフォローしているエージェントから購入するより安いようです。
 
 
 

2012年9月4日火曜日

線維筋痛症9

前回に続き線維筋痛症の話題です。


これは9月3日の毎日新聞朝刊・くらしナビに掲載された記事です。
塩野義で線維筋痛症の薬が開発され、臨床試験患者さんを募集していることは承知していましたが、ファイザーの「リリカ」が承認発売されたことは知りませんでした。
記事にもありますように、「リリカ」は帯状疱疹後神経痛に対する薬として開発されたということです。

苦しみに耐えている日本全国200万人の線維筋痛症患者さんにとっては朗報でしょう。

しかし、薬剤による治療は対症療法です。原因を突き止め、発症のメカニズムを明らかにし根治療法が開発されることを願っています。
ところで、歯科で「リリカ」の処方は可能なのでしょうかね?


線維筋痛症8

昨日、今日と雨が降り過ごしやすい日が続いています。
庭の木々も勢いを取り戻したようです。

久しぶりに線維筋痛症の話題を取り上げます。
我が家では、日本経済新聞、毎日新聞を購読しています。8月31日の日経、9月3日の毎日に相次いで線維筋痛症が取り上げられました。
今回は、8月31日の日経の記事を紹介したいと思います。
 
 
線維筋痛症は、全身に耐えられないほどの激しい痛みが続くのが主症状です。しかし、この原因や発症の仕組みが分かっていません。
 
診断の決め手は、上の記事の左上の図にあるように18ヵ所の圧痛点のうち11ヵ所以上で痛みを感じれば、線維筋痛症と診断します。
 
また、問診票による診断も役立ちます。問診票については回を改めて触れることにします。
 
国内患者数は約200万人と推定され、その7割が女性です。
肉体的・精神的なストレスが引き金になり、耐えられない痛みに襲われます。この引き金になるのが歯科治療という症例もあるようです。また顎関節症が引き金になる場合もあるようです。
私が体験した2人の線維筋痛症の患者さんは、30台の女性で2人とも復位性関節円板前方転位でした。
復位性関節円板前方転位が誘因になっていたのか?それとも復位性関節円板前方転位の症状が線維筋痛症を発症させたかは、不明です。
いずれにしても、一般医師の間でも認知度が低い病気が歯科治療や顎関節症と深い関係にあることを知り、診断ができるようにしておく必要があります。
 
次回は、「線維筋痛症の治療薬」というホットな話題を取り上げます。
 
 
 

2012年9月1日土曜日

移転開業

ビルの老朽化で、診療室を移転開業することになりました。

移転先は、今の診療室から5~6分のところです。
新しい診療室の設計などで大童です。
今夕も打ち合わせがあるは、飲み会があるはで忙しい思いをしました。
 

来週からは、顎関節症の記事もまともに書けると思います。しばらく、ドタバタしますがお付き合いのほどよろしくお願いいたします。