2012年7月31日火曜日

顎関節症治療セミナー

庭のブルーベリーです。食べごろになると、毎日のように遊びに来る孫が「摘まみ食い」します。
私は、このブルーベリーを食べたことがありませんので、どんな味か?
夏休みに孫が旅に出るときに、味わってみることにします。

さて、何回かこのブログでも紹介しました8月11、12日のセミナー「新しい顎関節症の考え方と治療法」は満席となりました。
実習のスペース、器械の台数の制限がありハンズオンコースは、これ以上お受けできませんが講義のみ+ハンズオン見学はスペースが充分ありますので、受け付けることにしました。
ご希望の方は、03-3405-6480青山田中歯科医院受付・上柳までご連絡下さい。

2012年7月30日月曜日

顎関節症とストレス 顎関節症の原因5


このパンジーは、昨年の10月からずっと花を咲かせ楽しませてくれています。
人も、永く働き続けて社会に貢献すべきことを教えてくれているのでしょうか?

多くの病気の原因として、ストレスほど色々な場面で顔を出すものはありません。
顎関節症においても然りです。
ストレスが、全くないという人はいません。誰でもが、あらゆる病気が発症する前から既存因子としてのストレスを抱えています。
そして病気が発症することによって、多かれ少なかれ新たなストレスを抱えることになります。すなわち顎関節症に罹患すると生成因子としてのストレスが生じます。
さらに、このストレスは顎関節症を悪化させる増悪因子としても働きます。
このように一旦病気が発症しますとストレスは、増え続けます。
しかし、ストレスがあるからといって顎関節症は発症しません。すなわち、ストレスは顎関節症の主因子とはならないということです。
あくまでも、咬合という主因子がない限り、いくら大きなストレスを抱えていても顎関節症は発症しないというのが、私の考えです。

2012年7月27日金曜日

顎関節症の原因4


庭のむくげ(木槿)です。ポピュラーな花ですので、俳句の季語としても使われています。
隣国、韓国の国花でもあります。
          道のべの 木槿は馬に くはれけり   松尾芭蕉
          それがしも 其の日暮らしぞ 花木槿  小林一茶


多因子説を唱える人の咬合の捉え方は、
咬合は、歯と歯の接触状態と捉えています。
咬合を、歯と歯の接触状態+顎関節の状態と少し視点を広げることのよって捉え方も違ってきます。
さらに、咬合を、歯と歯の接触状態+顎関節の状態+全身状態と捉えることによって真実が解ってきます。


2012年7月26日木曜日

顎関節症の原因3


庭の鹿の子百合です。鹿の子模様が何とも言えぬ良い雰囲気ですね。
鹿児島県薩摩川内市の市花です。薩摩川内市の甑島(こしきじま)には
野生の鹿の子百合が群生しているそうです。いつか旅してみたいですね。
かって、同地を襲った大飢饉の折には、ユリ根を食することで難を逃れたそうです。
茶碗蒸しには、ユリ根は欠かせませんね。

顎関節症の原因ですが、前にも話題にしましたが多因子説一因説があります。

顎関節症にかかわる因子を、主因子、生成因子、増悪因子、既存因子に分類することによって、多因子説をとるか一因説をとるかが分かれてきます。

私は、一因説を主張しています。その一因とは、咬合(咬み合わせ)です。
昨夕も、NHKの「試してがってん」に出演していましたK先生は多因子説を主張していますが、番組を見る限りでは、咬合(咬み合わせ)の因子をなくしてやれば、顎関節症々状が治るという内容でした。
K先生!もう一度冷静に顎関節症の原因々子を整理してみては、いかがですか?

2012年7月25日水曜日

顎関節症の原因2


庭に咲いたハイビスカスです。インド洋や太平洋の島々が原産地です。           
  ハワイに持ち込まれてから広まり、ハワイ州の州花にもなっています。
マレーシアやスーダンの国花でもあります。
花言葉が示すように「華やか」ですね。
花のある人生を送りたいものですが、あまり目立ち過ぎるのも・・・・・

顎関節症の原因を考えるうえで、大切なことは各因子を次のように分類することが大切だと考えています。

主因子:これがないと顎関節症は起こらないという因子です。当然、1つしかありません。

生成因子:顎関節症によって、つくり出される因子です。

増悪因子:顎関節症の症状を、より悪化させる因子です。

既存因子:顎関節症が起こる前から、その個人に存在していた因子です。

当然、生成因子であり、増悪因子であり、既存因子であるという因子もあるわけです。
詳細は次回に・・・・・

                

2012年7月24日火曜日

顎関節症の原因


我が家の玄関先に、咲いている家内が丹精込めている日日草です。
赤あり、ピンクあり、白ありで、出かけるとき帰宅したときに心を和ませてくれます。
何とこの花には制癌作用があり、アメリカの製薬会社が製品化して売り出しているそうです。
優しい、よく見かける花に意外な一面があるものですね。
「人は見かけによらぬ者」といいますが、あなたの周りにも気が付かないだけで、
隠れた才能の持ち主がいるかもしれません。

さて、次回からは顎関節症の原因について、私見を述べてみたいと思います。ご期待下さい。
最初は、「ストレスによって顎関節症は発症するのか?」というテーマに挑戦したいと思います。

2012年7月23日月曜日

顎関節症は自然治癒するのか?

我が家の庭の鉢植えの浜木綿です。
毎年この季節に咲くのを、楽しみにしています。
小さいころ海水浴に行く道すがら見かけたのを覚えています。
最近は、海水浴にも行きませんので、海辺の浜木綿を見ることもなくなりました。

静岡市立清水病院口腔外科・井川雅子先生は、ご自身の著書「TMDを知る━最新顎関節症治療の実際━」の中で
TMD(顎関節症)は「治療しなくとも長期的には改善する病気で、再発する可能性はあるが最終的には症状が治まってしまう」すなわち[self-limiting(自己緩解的)な疾患]であることが明らかになってきました。
と記載されています。私は顎関節症がself-limiting(自己緩解的)な疾患すなわち、放っておけば自然に治りますよ。ということが全く理解できません。

先日、某国立大学の顎関節症に造詣の深い先生にお会いしましたので、常々疑問に思っていたことを質問してみました。
この先生も、井川先生と同じようなことを書いておられました。
その先生の答えは以下のようでした。
「顎関節症は比較的若年で発症する。治療しなくても仕事や子育て、さらに高齢になってくると、癌に罹患したりで顎関節症治療の存在が、患者さん自身の生活の中でウエイトが軽くなって、あまり問題にならなくなる」

これを、self-limiting(自己緩解的)な疾患すなわち、放っておけば自然に治る。と解釈するそうです。自分が顎関節症になったら、こんな解釈で満足できるのでしょうかね。怒怒怒!!!
この大先生方は、顎関節症を治すことができないので、屁理屈を捏ねているだけ・・・・・とは、ちょっと言い過ぎかも・・・・・

2012年7月21日土曜日

新しい顎関節症の考え方と治療法2

今日、長野県諏訪市から電話をいただきました。
「18歳になる娘です。2年半前に顎関節症と診断され歯科治療や神経系治療(マッサージなど)を試してきましたが、治りません。頭痛があり、関節音もあります。」
電話の内容から、復位性関節円板前方転位が疑われます。
歯科医全部とは言いませんが、このような患者さんの治療に当たれる歯科医が要所要所に一人ぐらいづつ欲しいものです。

診療終了後、8月11,12日のセミナー会場・カボ デンタル システムズ ジャパンの研修室へ行きプロジェクターの映り具合や機材などの打ち合わせをしてきました。
通常のセミナーとは違い、技工のブースも必要ですし、ユニット(治療台)も必要です。この研修室は必要な機材がすべて揃い私のセミナーには最適なスペースと思います。

このセミナーの受講生が、それぞれの地域に帰られて顎関節症治療の地域リーダーになられることを希望し、鋭意準備をしていきたいと思っています。

2012年7月19日木曜日

顎関節症治療 仕事愛


庭に咲いているアガパンサスという花です。
花の名前が分からなかったのですが、NHKの番組で分かりました。
南アフリカ原産です。はるばると長旅をして日本に渡ってきたものですね。
ディズニーランドにもたくさん植えられているそうです。
花名の由来は、アガぺ(愛)とパンサス(花)=愛の花です。

ちょっと学のあるところを披露します。
一面から観ると、愛はアガぺとエロースに分かれます。アガぺは神の愛です。報酬を求めない愛です。
一方エロースは我々人間の愛です。報酬を求める愛です。人のもっとも純粋な愛は母性愛といわれています。母親にならない限り、純粋に近い愛は持てないのですかね?
私は、男性にも持てる純粋な愛があると考えています。
それは、仕事愛です。職人さんや研究者が、よくぞここまでという仕事を成し遂げますね。

常に歯科医としての仕事愛に、燃えたいですね!
これは、日常新しい知識を吸収したり、熟慮しながらの臨床を継続することで得られるものです。
このような歯科医のことを Student Dentist といいます。
常に新しい自分を求め続けたいものです。

若さを保つ秘訣かもしれませんね。

2012年7月18日水曜日

新しい顎関節症の考え方と治療法

今日は、さいたま市にあるサヤカさんという技工所http://www32.ocn.ne.jp/~syk_hp/を訪ねました。
技工所を訪問するのは、10数年振りです。
私が抱いていた技工所のイメージとは異なり、明るくて清潔な環境でした。

目的は、8月のセミナー「新しい顎関節症の考え方と治療法」の打ち合わせです。

①咬合調整実習に使用する顎模型の選択と製作依頼です。
恩田さん(下の写真の一番右の方)の歯列のエポキシ模型を16組製作してもらい、これを利用して
咬合調整実習をすることにしました。


②受講生からご自身の顎模型を技工所に送ってもらい、あらかじめ3種類のスプリントを作っておい
てもらいます。これを当日各自の口腔内で調整してもらいます。

スプリント製作を担当していただく野崎さんとの打ち合わせ

セミナーでは、合計4種類のスプリントを紹介しますが、そのうちの3種類は受講生がご自分の口腔内に装着し、体験することができます。
また、そのうちの一種類は第一日目の就寝時に装着し、ご自身で夜間の装着体験をしていただきます。
現在、私の医院では症例に応じて、4種類のスプリントを使い分けています。一種類のスプリントでは、治るケースがごく一部になります。
その意味では、3種類のスプリントをご自分の口腔内で体験できる画期的なセミナーになると思います。
また、スプリントで得られた新しい下顎位で、咬合調整、咬合面の修復、矯正のいずれかの方法で治療を完了させますが、今回は咬合調整の実習を行います。
咬合調整を体験することで、理想的な咬合とは?異常な咬合とは?を明確に知ることができます。

サヤカさんの所長は小林さんで、彼は私のブログのお師匠さんです。
ご自身で、ほぼ毎日ブログを更新され、内容も専門的なものです。
皆さんも一度ご覧下さい。

この技工所は、10名ほどの技工士さんで構成されていますが、休日は手分けして色々なセミナーに出席され知識を共有されています。
それぞれの真摯なお人柄も影響して、個々が自信を持って自分たちの職業を、職場を大切にされていると印象を受けました。

インプラント周囲病変


先週土曜日は、写真のパーティーに出席しました。この頃はどこに行っても私が最年長で、乾杯要員に指名されることが多くなりました。

日曜日は、 Serino 先生、弘岡先生、歯科衛生士の加藤典さんの「インプラント周囲病変への対応」と題した講演会がありました。
天然歯と同様にインプラントも術後の管理がいかに大切かが、強調されていました。かなりインパクトのある講演会でした。
日本では、インプラントをプロービングするべきか?というレベルの話ですが、スエーデンでは積極的にプロービングして予後を診ています。そこで、問題になるのがインプラント周囲病変です。

詳しいことは、歯界展望に内容紹介が掲載されますので参照して下さい。

咬み合わせの違和感


先週末に咬み合わせの違和感があり、来院された患者さんの石膏模型です。

この患者さんの訴えは、「咬むとギリギリいって、不快感がある」ということでした。
主訴から判断して関節円板変位のケースだろうと思い、口の中を見せてもらいました。

左上の7と上の両中切歯に咬み合せ時に違和感があるということでした。
前医でも、「咬み合わせの違和感がある」ということで、調整を求めたそうですが、「これ以上削れない」ということで、ゴルフ友達である私の同級生に相談したら、「田中先生に診てもらったら」ということで来院されました。

問題の3歯とも動揺があり、なるほど咬合紙による診査では、異常がありません。咬合紙に印記される前に歯が動くからです。多分、前医は指で動揺を抑えないで咬合診査を行ったので、患者さんの訴えが分からなかったのでしょう。

あまりにも単純に、解決できるケースで拍子抜けしました。

この患者さんは77歳です。
左上の7を抜き、5~5までの短縮歯列で経過を見ていくか、上顎大臼歯部を修復するか?迷うところです。患者さんとよく相談して決めることにします。


2012年7月14日土曜日

咬み合わせのノイローゼ


この本には、「咬み合わせのノイローゼ」という言葉が出てきます。

35歳の女性で、主訴は頭.首、肩の痛みと咬み合わせ異常感。
虫歯で歯科医院を受診したら、いきなり歯を4本削られてショックを受けた。この直後から咬み合わせがしっくりいかなくなり、首にいたみがあらわれた。ひきつづき歯科医院を毎日受診したが、「左側の歯を削って咬み合わせをを合わせると、今度は右側の歯が強く当たる」ようになり、左右交互に削合するといういたちごっこがはじまった。
以後、咬み合わせの調整を受けるたびに、頭、顎関節、首、肩、背中など・・・・・・

この診断名が、「咬み合わせのノイローゼ」ということです。

明日、この本に紹介されているのと同じ症状を持った患者さんが同級生の紹介で見えます。
まさか、「先生からの紹介の患者さんは咬み合わせのノイローゼでした」とは言えませんよね!
結果は来週に・・・・

2012年7月12日木曜日

顎関節症の疼痛6

庭に咲いたカサブランカを活けました。
存在感のある花ですね!
存在感のある人間になりたいですね!

5月29日にアップした頤部に痛みがあり、いろいろな医療機関を巡り、当院にたどり着いた患者さんです。
疼痛は、初診時を10とすると、現在は2だそうです。
当院の治療では、通常痛みが長引くことがないので鎮痛剤の処方などは考えていません。この患者さんは、例外的なことを考える必要がありそうです。
先日は、下顎前方運動時の前歯の接触を調整しました。


今日、受診したメールでは、
痛みの症状ですが、変化のない状況が続いています。
彼によると、歯ぎしりがひどい時は、ボキボキ音がするくらいだそうです。
朝の痛みは、変化なく辛いものです。

起床時に痛いということですから、睡眠時ブラキシズムに対応すべく、スタビライゼーション型スプリントを装着し、様子を診ることにします。



2012年7月11日水曜日

顎関節症と下顎骨骨折2

庭のクチナシの花です。臭いがいいですね。

♪ いまでは指輪も まわるほど
やせてやつれた おまえのうわさ
くちなしの花の 花のかおりが
旅路のはてまで ついてくる
くちなしの白い花
おまえのような 花だった ♪

という渡哲也の歌声が聞こえてきそうですね!

前回の下顎骨骨折の患者さんの続きです。


関節音が無いことから、関節円板変位と診断しました。いつも通り3Dスプリントを装着しました。

果たして、患者さんの症状は落ち着くでしょうか?????多くの疑問が残ります。来週の土曜日に全身正面写真を撮るアポイントをしました。結果やいかに・・・・・

2012年7月10日火曜日

顎関節症と下顎骨骨折

今日の朝一の患者さんは、昨年5月に下顎骨骨折、TIS大学で3ヵ月の顎間固定の後、咬合調整した方です。
骨折部位は、片方の下顎枝で、片方は亀裂が入っていたようです。本人は動転していて、どこがどうなっていたのかはっきり分かりません。

咬合調整後、
①“噛みあわせ”がしっくりしない
②口が大きく開けられない
③口が真っ直ぐ開かない
④肩がこる
⑤背中が痛い
⑥疲れやすい
⑦昼間眠い
⑧いつも気持ちが落ち込んでいる
⑨気力がわかない
などの症状があります。



口腔内は、正常です。歯肉が少しバッチイのですが・・・・・
咬頭嵌合位も特に問題はありません。

例によって、正面全身写真を撮りました。
こんなに曲がっています。いかにも背中の痛みがありそうですね!

画像が多すぎて、これ以上画像をアップすることができません。次回続きを・・・・・・



2012年7月9日月曜日

繊維筋痛症8

美味しそうなメロンとトウモロコシですね!
この季節大勢の患者さんからお中元をいただきます。
患者さんに私が貢献しているから戴けるのでゃなく、
患者さんの「しっかりやってくれよ!」という励ましの言葉として
精進していきたいと思います。

今日は、繊維筋痛症と思われる患者さんから初診申し込みの電話がありました。
原因不明の全身の痛みがあり、必死でインターネットで調べ繊維筋痛症と自己診断したそうです。歯科で治すのがベストだと思い電話したそうです。
電話での問診の様子では、顎関節症を疑う症状がありました。
20日の初診日までに、しっかりした知識をつけ、期待に添えるような対応をしたいものです。


2012年7月6日金曜日

関節円板前方転位


これらの本は、8月11日、12日の私のセミナー「新しい顎関節症の考え方と治療法」の開講準備のために読み進めている本です。
ご覧のように、歯科の本は一冊もありません。

いま、精力を傾けているのは新しく開発した関節円板前方転位の治療法をもっと洗練した方法に改良することです。これには、整形外科的な手法やカイロ,整体の知識や手法を合理的に取り入れていくことが必要です。
今まで、あまり手を付けられなかった分野です。

8月までには、スッキリしたより効率的な方法に仕上げたいものです。受講の皆さんはご期待下さい。

2012年7月5日木曜日

非復位性関節円板前方転位

今日は、暑い一日でした。
ゴルフを早々に切り上げ、午後から2軒の歯科医院を訪れました。

デーモンシステムを採用されている星野先生
矯正専門医のオフィスは、どこも綺麗ですね。
我々の診療室のように色々な器具を置く必要がないからでしょうか?

一軒目は、広尾の矯正専門医院でした。
今年大学に入った当院の患者さんを紹介、治療の打ち合わせをしてきました。
この患者さんは、非復位性関節円板前方転位で発症から2年あまり経過していました。近くの顎関節症に力を入れている歯科医院を受診しましたが、治らないということで当院を受診されました。
初診時の開口量は17㎜でした。当院開発のスプリントを装着後1ヵ月ほどで、急激な変化があり、48㎜まで回復し、体調も良くなりました。

前回も書きましたが、非復位性関節円板前方転位は発症から6ヵ月以上経過すると回復せず、開口訓練で疑似関節円板を造り開口量を増やしていくのが通常の治療法です。
しかし、私の治療法では関節円板が復位する可能性が大です。症例を増やしより確実に治療できるよう頑張ります。
もう少し治療法が確立したら公の場で発表します。

二軒目は、日比谷の歯周病専門医院・弘岡先生を訪ねました。
私の口の定期検診のためです。弘岡先生(歯科衛生士の加藤典さん)には、私の口の管理と歯周病の最新知識を教えていただいています。利益をいただくだけですが、私のコンピュータの知識を少々提供させていただいています。
今週の土、日とスエーデンから講師を招聘し、インプラント周囲炎の講演会を開催されます。
私は日曜日だけの出席になりますが、また報告します。

2012年7月4日水曜日

非復位性関節円板前方転位


この患者さんは69歳の女性です。
上の図は右側の関節部のMRI像です。診断名は非復位性関節円板前内方転位です。
写真が鮮明に撮れませんでしたので、トレースしたものを右に示しました。
顎関節症歴30年以上のベテラン患者です。
通常、関節円板前方転位の患者さんのMRI像では、下顎頭が側頭骨の関節窩に対して後方にあるようです。
この患者さんの場合は前上方に位置しています。顎関節症発症時は下顎頭が後方に移動したために関節円板が前方に転位し、その後下顎頭が前方に移動してきたという推測も成り立ちます。

ちなみに、この患者さんの左側の病名は復位性関節円板外方転位です。下顎骨は一体ですから片方の下顎頭が内方なら、もう一方は外方というのは肯けます。

開口量は40㎜です。非復位性関節円前方転位のケースとしては、開口量は大きいほうです。関節円板の存在していた部位は軟組織で満たされているようです。この軟組織が関節円板に変わる役目(疑似関節円板)をしているので開口量が保たれているようです。




最近、右の関節部に痛みが出てきたということです。
自分の人差し指で下顎頭の後ろを押すと痛みが治まるということです。
他の関節と同じように、顎関節が炎症を起こすと痛みが出ます。痛みの1つの原因はjoint effusion(関節浸出液)による内圧の亢進と考えられます。
痛みを軽減するためには、関節内視鏡で浸出液をとる方法もありますが一時的なものです。
ベストの方法は円板を元の位置に戻してやることでしょう。果たして可能なのでしょうか???

joint effusionはMRI像では白い線状のものとして確認することができます。
患者さんの痛みとMRI像で確認できるjoint effusionとは、かなりの確率で相関関係があります。

joint effusionについては、後日触れることにします。

2012年7月3日火曜日

線維筋痛症7


どうしても線維筋痛症が気になり、2冊本を購入しました。

線維筋痛症の治療で、歯科分野で貢献できるヒントが見つかればお知らせします。

Okeson の Management of temporomandibular disorders and occlusion の7版でも線維筋痛症の項が大きく改訂されていました。この改訂部分も近々紹介します。

2012年7月2日月曜日

GCシンポジウム

昨日の日曜日は、まる一日GCシンポジウム「歯科臨床の原点から咬合・補綴治療を考察」に参加しました。
終始咬頭嵌合位の重要性を訴えるものでした。
講師のお1人に、昼休みに「今日は咬頭嵌合位のお話だけですか?」とお聞きしたところ「そうです」という返事でした。
多分、私が質問したので午後の部では咬頭嵌合時の顎位について触れていただけました。内容は、顎位にはいろいろな見解がある。患者さんを立位にしてそっと噛んでもらうといういとも簡単な方法でした。
折角、咬頭嵌合位がしっかりしていても、その顎位が狂っていると意味がない。咬合病をそのままにして咬合を作り上げることになります。

「もう少し、原点を考え直した方がイイですよ!」というのが、私の講師の先生方へのアドバイスです。
講師のお一人は、関西の方です。関西からお見えになっている私の患者さんのご子息がお世話になる予定です。私の患者さんのご子息の咬合を守るために、私の考えを伝えるつもりです。
うまく伝わるかどうか心配です。